不動産マメ知識

契約・債権・債務について

権利関係 2011年8月26日

民法の基本用語とその考え方についてお話します。

(1)契約について
   
  民法を学ぶ際に最も重要で基本的な物は「契約」です。
  なぜなら、その解決に法が必要とされる「トラブル」の最も典型的な場合が「契約に違反した場合」だからです。

 1、契約の成立
  「契約」は、どうやって成立するのでしょうか。
  たとえば、売買契約ならば、「売ります」という申込みの意思表示と、「買います」という承諾の意思表示の合致さえあれば 成立します。
  この時に、契約書などを作成する必要はないです。(ただし、保証契約のみは書面が必要です。)
  このように、民法は個人の意思を最大限尊重しようとする法律です。だから、出発点にしているのです。

 2、契約の効果
  契約の成立をすると、次のような効果が生じます。
  (ア) 契約の拘束力
   契約が成立すると、当事者は勝手に契約を破棄することはできません。契約を勝手に無視すると、契約違反(債務不履行)として解除、損害賠償などの問題が生じます。
  (イ) 契約の強制力
   相手がどうしても契約を守らない場合は、裁判所に訴えることにより、国家が契約内容を強制的に実現します。

(2)債権、債務について
 「契約」が成立するということは、いわば、法的拘束力のある約束をするということです。言い換えれば、権利と義務が発生するということです。
  自分で、約束したからそ、義務を課すことができるのです。
   そして、契約の相手方など、特定の人に対してのみ請求できる権利を「債権」といい、特定の人に対してのみ負う義務のことを「債務」といいます。
  たとえば、売買契約が成立すると、売主は、買主に対して土地などを引き渡す債務を負うが、代金を支払えと請求する債権を持ちます。
  これに対して、買主は、売主に対して代金を支払わなければならないという債務をおうが、土地などを引き渡せという債権を有します。
  このように、売買契約などでは、通常対立する2つ以上の債権・債務があるので、問題を解くときなどは、何に関しての債権・債務なのか、よく確認する必要があります。